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「イキガミ」と「死神」

今日は9月30日.1年の3/4が終わってしまう.ここ数日急に秋めいてきた.季節は正直である.歳とともに時間が経つのが早く感じられるようになってきた.先日フッと「あと何年生きられるんだろう?」と思った.厚生労働省の平均余命データから考えると,私はあと27〜28年生きられるらしい.っと言うことは,すでに生きてきた時間(53年)の半分である.自分が53歳であるという事実および外から見た姿と,自分の意識の間には,大きなギャップがある.私の子ども時代,50歳の人と言ったら,本当にオジサンであった.でも自分の意識は20代とは言わないが,30代あたりからあまり変化していない.それでも,外見はやはりきちんと(?)歳を取っているから,まあ世間から見たら「オジサン」なんだろうな,という事で,悲しいながら納得している.

この前の日曜日に「イキガミ」というノベライズを買ってきて読んだ.「イキガミ=逝き紙」ということで,国家繁栄維持法という法律に基づいて,1000人に1人の割合で,国民を殺してしまう,という,まあある種荒唐無稽な設定である.この作品の狙いは(多分)極限状態に置かれた人間を描くことによって,生きる意味を考えさせるということであろう.狙いは面白いと思う.ただ小説としての書き込み浅さとか,人物設定の甘さがあって,私の評価としては精々★★☆☆☆ぐらいであろうか.似たような内容を扱ったものとして,「死神の精度」という作品がある.さきほどのイキガミの主人公は人間であったが,こちらは死神が主人公である.死神が死亡の執行を許可するかどうかを判定する,というストーリーであるが,こちらは登場人物が生きていた.先ほどのイキガミと同じように,短編がいくつか集まったものであるが,イキガミが短編間のつながりがなく,単に雑多に集めた,という感じであるに対して,こちらはきちんとストーリーがある.個々の短編の完成度も高く,短編集としては出色のできであると思う.普通の常識的なイメージを裏切った死神(映画では金城武が演じていた)が実に格好いい.それに死を扱ったものであるのにもかかわらず,妙に乾いた印象である.最後の{オチ」も見逃せない.久しぶりに良い本を読んだな,という気がした作品であった.

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» 『死神の精度』/伊坂幸太郎著 【読後感想】 [嘘つきを反省する日記]
今年の山本周五郎賞を受賞した作家、伊坂幸太郎氏著作で、映画にもなったこの作品『死神の精度』は、人の死を司る‘死神’が出会った人々を、オムニバス形式で綴った短編6作品集です。 それぞれ独立した物語として成り立っていますが、伊坂氏得意の連結オムニバスで、作品を通して読むと、細い糸の様な繋がりが見えてきます。 今回のこの作品集は、時間軸もなぞった糸が繋がっています。 雨男の死神、人間界での名乗り名は千葉。晴れた空を見たことの無い彼は、仕事の度に時に応じた姿で現れ、その対象の人物が死ぬべきか否かを7日間調... [続きを読む]

受信: 2008年10月 1日 (水) 00時47分

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